2012年7月12日木曜日

ローリー・ワラック(米国パブリック・シチズン):「また戻って再協議するのは非常に難しい」とワイゼル氏は説明

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ローリー・ワラック(2012.3.13 「TPPに反対する運動を進めるための円卓会議」にて)

 7月3日のサンディエゴにおける企業主催の会合でのUSTR代表補兼TPP主席交渉官Barbara Weisel(以下、ワイゼル)氏の発言・質疑について、その場に同席していた米国パブリック・シチズンのローリー・ワラックから「TPPに反対する人々の運動」がコメントを入手し翻訳掲載しましたので転載します。話題にのぼった、7月5日付Inside US Tradeの関連記事に対する所見も伺えます。

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 私はワイゼル氏が話をした企業主催の昼食会に出席をしていた。彼女は、もし新たな国々(つまりは日本のことだが)が協定交渉がまとまった後に参加を希望したらどういうことになるのか、という質問に答えていた。彼女は日本における現在の政治状況とAPEC内のFTA提案のような過去のFTAに関連しての政治状況について長々と説明をした。

それから、彼女は一般論として、新たな参加国がどのように米国議会の承認を得る必要があるか、またそれに先立って、参加にあ たっての約束の詳細をその他の加盟国と協議しなければならないか、といった点についても取り上げた。

その後出席者の一人が、新たな参加国が加わる場合の全体的な手順について質問をし、それによりワイゼル氏は本題に入っていった。新たな参加希望国のグル-プがあり、現加盟国があり、一ヶ国ずつ認めるのか、第2グル-プの波全体を後で受け入れるのか。彼女は、整理されていないもののどういうことになるのか説明をした。新たな参加国は最初の協定が合意されるまで一定期間待たされざるを得ないだろう。そうでなければ、途切れなく新たな参 加国が途中で加れば、協定交渉をなかなか終りにすることが出来なくなるだろう。

彼女はこれらの説明をする前に、TPPは“生きた”協定であり、時間の経過の中で拡大をするものである、ということについて話をしていた。従って私自身は、協定を“open”するということは、新たな参加(希望)国を受け入れるための進め方という文脈としての意味と受け取った。しかし、出席者によっては具体的な国に対処する上で協定に新たな内容を加えることと受け取られたのかも知れない。ウィ-ゼル氏は、全ての署名国は(協定に)合意しなければならないと指摘したのにも拘らず、それ以上に、例えば以前に拒否されたにも拘らずある国が除外項目を求めたなら一度結論の出された問題をopen再協議する、と受け取られたように見えた。

要するに私自身は、Inside US Tradeの記者がどのようにして、協定全体が再協議に開かれるという考えに至ったのか、何とも言えない。ワイゼル氏は、繰り返し、一旦交渉参加国が合意したらまた戻って再協議するのは非常に難しい、と説明をしていた。(7月10日・記)。

【ワイゼル発言とは?参考記事】
新たな問題では再協議も=TPP交渉への新規参加で-米通商筋(時事通信 年7月7日)
米高官、TPP合意後に見直しも 参加遅れても関与可能に(北海道新聞─共同通信 7月7日)
TPP交渉 日本の参加は発効後 USTR幹部が示唆(日本農業新聞 7月7日)
日本の参加が遅れてもルール作りに関与できるの!? 見解わかれる英文記事を全文翻訳


<原文>
I was at this corporate luncheon where Barbara spoke. She was responding to a question about what would happen if countries – namely Japan - wanted in after talks were done. She gave a long answer about the politics in Japan now and with respect to past FTAs – like the proposed APEC FTA.
She then also discussed generally how entry of each new country would need US congressional approval and that before that each country would have to negotiate its schedule of commitments with the other TPP parties.
Someone then asked about overall process of other countries joining and that is when she got into the business about tranches of countries – the current ones, allowing one-by-one admissions or having a whole second wave of new ones later. She said how it would happen as not really sorted out but that at some point, new entrants would have to be held while initial talks were concluded – and if not, continually adding new countries mid stream would make it hard to ever finish.
She had previously talked about the agreement being a “living” agreement – which would be expanded over time. So, I took the issue of “opening” the agreement to mean in context of scheduling for new countries, but I guess it could have been understood to mean adding new language to address a specific country. But it seemed more like reopening issues that had been closed if a country asked, for instance, to exclude something that had been past rejected. Tho she noted that all of the signatories would have to agree.
So, in sum, I am not sure HOW the reporter came up with this notion that the text of the overall agreement would be opened. She made repeated comments about how once they had made a deal, it would be very hard to go back and revisit it…

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