2014年3月31日月曜日

【映像公開】「もうやめよう!TPP交渉 3.30大行動」に1,200人が参加

 3月30日、STOP TPP!! 市民アクションなど35団体で構成する実行委員会が主催した「もうやめよう!TPP交渉 3.30大行動」が日比谷公園野外音楽堂(東京都千代田区)で開催されました。

 当日は雨の中およそ1,200人が参加しました。その模様をインターネット放送「UPALN」が撮影、公開してくださいましたので共有します。

   
撮影/UPLAN

 また、当日読み上げた海外からのメッセージは近日中に全文を公開予定です。

2014年3月15日土曜日

米国TPPビジネス連合によるUSTRフロマン代表宛書簡

 米国のTPP推進の立場をとる企業連合が2月24日付けでUSTRのフロ-マン氏に送った書簡です。北海道大学教員の東山 寛さんのご了解をいただき、いただいた翻訳を「STOP TPP!! 市民アクション」翻訳チ-ムの責任で整理しました。
 日本と並んでカナダも厳しく批判をしています。また、商工会議所などの団体を含め43団体がこの声明に参加していますが、うち26団体が農業・食品関連、次いで3団体が繊維関連、製造業やサ-ビスは分野横断的な団体としてさんかしています。
 また、日本では推進する立場では“早期妥結”が目立ちますが、“高水準の自由化”を強く求めている印象を受けます。



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2014年2月20日
マイケル・フロマン大使
合衆国通商代表 通商代表部
600 17th Street, N.W. Washington, DC 20508

米国TPPビジネス連合によるUSTRフロマン代表宛書簡(2014年2月20日)

以下に署名した団体はTPP交渉の強力な支持者である。TPPは雇用を創出し、経済成長をもたらし、将来のグローバルな貿易自由化の中心的存在となる革新的な通商協定になる可能性を秘めている。

高い水準の協定であるTPPは、アジアだけではなく世界全体においても、将来のさまざまな通商協定における世界標準としてのルールづくりの新しい規範と希望となるだろう。しかし、すべての参加国が物品・サービスの貿易および投資に対する関税と非関税障壁の撤廃に同意する包括的な協定を支持しようとしない限り、この可能性は実現しない。

例えば、どの国にも重要な関心分野はあるが、日本とカナダは包括的な市場アクセスの自由化を提供する意思がなく、われわれは特段の懸念を持っている。両国は最も保護されている分野の維持に懸命になっていると伝えられている。

特に、両国が提案していると伝えられている市場参入の範囲と程度は、これまでの米国の通商協定と比較して大きく後退しているようだ。また日本が維持しようとしている関税障壁は前例がないばかりか、その分野は日米両国間の将来の貿易拡大に大きな可能性を持つ分野でもある。

TPPは関税、非関税障壁、サービス、投資について、包括的な市場参入の恩恵を生み出すものでなければならない。さらに、国境を超えるデータ移転、国有企業との競争、知的財産権と投資の保護など、現存するあるいは今後起こりうる、将来の米国の競争力を決める極めて重要なあらゆる問題に対処するものでなければならない。これに失敗すれば、将来TPPに参加しようとする重要な貿易相手国には特に、悪しき前例を与えることになるだろう。

われわれはフロマン代表に対し、TPPにおいて、市場参入と対等な競争条件を確保するルールづくりについて、包括的且つ極めて野心的な成果を堅持するよう強く要請する。そのような協定ならば、われわれからの熱烈な支持を得ることになるだろう。

(以下は本声明に賛同する企業の一覧)
American Apparel & Footwear Association (AAFA)/American Farm Bureau Federation/American Feed Industry Association/American Legislative Exchange Council (ALEC)/American Meat Institute/American Peanut Council/American Peanut Product Manufacturers, Inc./American Soybean Association/Animal Health Institute/Coalition of Services Industries (CSI)/Corn Refiners Association/Emergency Committee for American Trade (ECAT)/Express Association of America (EAA)/Fashion Accessories Shippers Association (FASA)/International Dairy Foods Association/National Association of Manufacturers (NAM)/National Association of Wheat Growers/National Cattlemen’s Beef Association/National Chicken Council/National Confectioners Association/National Corn Growers Association/National Foreign Trade Council/National Grain and Feed Association/National Oilseed Processors Association/National Pork Producers Council/National Potato Council/National Renderers Association/National Retail Federation/North American Export Grain Association/North American Meat Association/Pet Food Institute/Retail Industry Leaders Association/Semiconductor Equipment and Materials International (SEMI)/Sweetener Users Association/TechAmerica/Travel Goods Association (TGA)/United States Council for International Business/United States Fashion Industry Association/United States -New Zealand Council/US-ASEAN Business Council/U.S. Chamber of Commerce/U.S. Grains Council/U.S. Wheat Associates

(翻訳:東山 寛   翻訳チ-ム担当:戸田 光子    監修:廣内 かおり)

2014年3月14日金曜日

米通商代表部のTPP知的財産関連の章への提案は あらゆる人々の医薬品へのアクセスを脅かす

 今年の2月12日に下記の諸団体が出した声明を、九州大・大学院准教授の磯田 宏さんが仮訳と言う形で提供して下さいました。ご本人の快諾を得て、「STOP TPP!!市民アクション」の翻訳チ-ムで整理をして配信をするものです。
 知財の分野は米国の医薬品業界の意向を受けて米通商代表部がまさに業界と連携して、適用機関や対象の拡大にやっきとなっていることにより難航し続けている分野です。
 声明を読むと、米通商代表部が、適用期間や適用基準の一つとしての所得水準について途上国への配慮を小出しにするような形で、結局は保護期間の延長や対象の 拡大を実現しようとしていることが強く非難されています。言って見ればWTOプラス、既存の米国のFTA+、そして自らの2007年新貿易政策における途 上国配慮を骨抜きにしようとしていることが明らかにされています。


2014年2月12日
米通商代表部のTPP知的財産関連の章への提案はあらゆる人々の医薬品へのアクセスを脅かす


過去3年にわたり、下記に署名された諸団体、公衆衛生および開発関連専門家、バチカン、連邦議会議員、TPP協定交渉における米国の取引相手諸国は、行き過ぎた知的財産(IP)基準や追加基準の設定によって医薬品の独占権拡大を狙う米通商代表部(USTR)の取り組みが、公衆衛生(国民の健康)と医薬品のグローバル・アクセスに与える影響について、繰り返し懸念を表明してきた。
それに応えて2013年11月、TPP交渉のソルト・レイク・シティー・ラウンドで米貿易交渉官たちは、目下TPP協定交渉中の途上国に対して2007年新貿易政策(5月10日合意)に含まれる公衆衛生の柔軟な運用の一部を拡大適用すると主張し、TPP知的財産関連の章への「特別待遇手法」を提案した。
我々は、これらの方策がアジア太平洋全域で手頃な価格での医薬品入手を必要としている何百万人もの患者に公衆衛生上の影響を及ぼすこと、本提案が上述の「5月10日合意」に合致しているかのようになっていることを深く憂慮している。 米通商代表部は2011年以降、生命を脅かし診療アクセスを制限する提案を推し進め、TRIPS(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)に含まれる国際的合意を得たWTOの責務を超える内容を、すべてのTPP参加国に課そうとしている。「新たな」手法はこの提案を含んでいるだけでなく、途上国に住んでいる患者たちに緊急に医薬品を入手する必要があることも十分に認めていない。
「5月10日合意」では、過度な知的財産保護が途上国に及ぼす悪影響を認め、いまだ不十分ではあるものの正しい方向へと一歩を踏み出した。 この取り決めにより、米国とTPP交渉中の途上国(ペルー、コロンビア、パナマ)は、知的財産条項の柔軟な運用が可能になった。この条項は、特許リンケージ(薬剤登録と特許付与を連結させる事で薬事当局は後発薬品の販売承認を拒否できる仕組み)や特許期間の延長、治験データの独占権など、交渉で最も難航する条項である。 我々は、多数の人々が今も貧しい暮らしをしている貧困国が過度の知的財産保護による悪影響を受けないためのこうした「5月10日合意」の原則さえも、TPP協定交渉において貫かれていないことを懸念している。
とりわけ、米通商代表部による提案が、以下のように、国民の健康に不当な負担を課す可能性があることを懸念している。
 米通商代表部は、先進国にとっても途上国にとっても、前代未聞の行き過ぎた「TRIPSプラス」知的財産保護を強要しようとしている。
米通商代表部は、TRIPS協定の下で国民の健康を守るために認められた柔軟性を制限し、参加国に対して医薬品へのアクセスを脅かすこれまでにない一層過酷な方策を実施させようとしている。 こうした方策は、患者たちの健康を犠牲にして医薬品企業の独占化を進めるものである。
 米通商代表部の提案には、「5月10日合意」の下で勝ち取られた、医薬品へのアクセスを容易にする最低限の手段さえも含まれていない。
 TPP協定は、ペルーやコロンビア、パナマとの米国貿易協定にも含まれておらず、「5月10日合意」でも検討されなかったような、これまでにない過酷な方策をおしつけている。 それにも関わらず、すべてのTPP参加国にはこの新たな規定を採択することが期待されている。
 この新規定には、
●特許範囲が拡大するよう特許性基準を下げ、特許の「エバーグリーン化(先発医薬品の特許が切れても、小さな改変・改良を続けることで特許期間を延長し、独占し続ける戦略)」を促進させ、既存(先発)の医薬品入手までの期間が長期化する 
●患者の治療法に対する特許の付与―外科手術法や診断法、内科治療法などの特許―により医療費が増大し、最善の医療、医学知識、医療的ケアの利用が制限される 
●生物製剤のデータ独占期間が極端に長く、癌や肝炎などの治療で緊急に必要とされる手頃な価格のバイオ医薬品へのアクセスを阻害する、という内容が含まれている。
 米通商代表部による特別待遇(差別化待遇)案は、「5月10日合意」を十分に取り入れておらず、適用範囲が不適切であり、また、規模においても容認し難いほど限定されている。
   米通商代表部による提案の下では、裕福でない国々のごくわずかしか特別待遇を受ける資格が与えられず、長期的には、アクセスが制限されている知的財産保護を採択せざるを得ないことが予測される。
  米通商代表部による「特別待遇案」とは、一部の発展途上国に対する知的財産関連の章(特許リンケージ、特許期間延長、特定の種類のデータ独占権)の有害な規定の適用が限定的になるというだけのことだ。 その上、この規定の諸条件は、「5月10日合意」の下で途上諸国に与えられた条件より制限される可能性がある。
  さらに、特別基準が適用されるのは、これらの国々が一定の所得段階を越えるまでの間に限られる。
 そして将来参加する可能性のある他の途上国には適用されない可能性もある。 対照的に、「5月10日合意」の下でペルーやコロンビア、パナマに提供された条件は永続的である。

 我々が強調したいのは、TPP交渉がTPP参加国に住むあらゆる患者の健康ニーズと経済格差を、確実に考慮することの重要性だ。国際的に受け入れられた規範の下、国民の健康ニーズにとってもっとも適切な知的財産基準を実施するための、各国の自由且つ柔軟な対応を制限する取り組みは停止するよう米通商代表部に強く要請する。
 さもないと、「高水準の21世紀型貿易協定」案は、公衆衛生(国民の健康)にとって低水準なものとなり、おそらく何百万人という人々の命を脅かすことになるだろう。

             (仮訳:磯田 宏/翻訳チ-ム担当:小幡詩子/監修:廣内かおり)
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[i] Médecins Sans Frontières (MSF)/ Doctors Without Borders, “Governments in Trans-Pacific trade deal urged to reject political trade-offs harmful to access to medicines,” October 2013; Oxfam International, “US trade policy putting public health at risk”, March 2013; Public Citizen, “Leaked Documents Reveal Obama Administration Push for Internet Freedom Limits, Terms That Raise Drug Prices in Closed-Door Trade Talks, November 2013; HealthGAP, “US’s Proposed TPP Transition Period for Middle-Income Parties is Fools Gold,” November 2013; “Physicians and Scientists-in-Training Push for Access in TPP Negotiations,” November 2013; Knowledge Ecology International, “KEI analysis of Wikileaks lead of TPP IPR text, from August 30, 2013, November 2013; Statement of the Latin America & Caribean (LAC)-Global Alliance for Access to Medicines on the Trans-Pacific Partnership Agreement (TPP) & Access to Affordable Medicines, July 2013.
[ii] “UNITAID Concerned that TPP Negotiations Undermine Public Health Goals,” November 2013; International AIDS Society Statement from Françoise Barré-Sinoussi and Chris Beyrer on the Trans-Pacific Partnership Agreement and Access to medicines (TPP), July 2013; Knowledge Ecology International, “Joe Stiglitz writes open letter to TPP negotiators,” December 2013.
[iii] Knowledge Ecology International, “Vatican criticizes Trans Pacific Partnership: Holy See statement to 9th WTO Ministerial Conference in Bali,” December 2013.
[iv] Levin Statement on Trans-Pacific Partnership Negotiations, December 2013; Representative McDermott, “Worlds Apart; Making Sure Trade Policies Improve Global Health,” Roll Call, 31 May 2013; Representative Waxman sends letter to USTR expressing concerns for access to medicines, December 2013; Six Members of Congress Write to President Obama on TPP and Access to Health Care, December 2013; Five Ranking Members of House of Representative send letter to USTR expressing concerns for access to medicines in developing countries, January 2014.
[v] Inside U.S. Trade, “Leaked TPP IP Chapter Reveals Details of Conflicting Drug Proposals,” 15 November 2013.
[vi] United States Trade Representative, “Stakeholder Input Sharpens, Focuses U.S. Work on Pharmaceutical Intellectual Property Rights in the Trans-Pacific Partnership, November 2013.

「3.30大行動」実行委員会への参加と賛同をよびかけ

「STOP TPP!! 市民アクション」が実行委員として企画に関わっている「3・30大行動」について、以下のとおり呼びかけます。ぜひ参加ください。
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2014年3月5日
「これでいいのか?!TPP 12.8大行動」実行委員会から

画像  
画像をクリックするとチラシ(PDF)をダウンロードします
 
「3.30大行動」のよびかけ

皆さん、  
 さて、TPP交渉は、2月のシンガポールでの閣僚会合でも「大筋合意」ができず、次の会合日程も決められないまま、交渉継続が確認されています。なおいくつかの分野で難航しているといわれていますが、それほど参加各国の利害調整が難しくなっていることを示しています。
  しかし、一方で、交渉の行方のカギは日米関税交渉にあるとも伝えられており、ここで日本政府が国会決議や自民党の決議に反して、農産品など「聖域」を譲ることがあれば、交渉は一挙に加速する可能性も指摘されています。TPA法が成立しないもとで、アメリカがこれまでの関税撤廃要求を取り下げることは考えにくく、仮に「合意」をめざすとすれば、日本政府が「聖域」を譲るしかありません。そして、オバマ大統領が来日するとされる4月下旬までに、なんらかの動きがあるのではないかと懸念されます。
 私たちは、このような状況に鑑み、いまこそ「秘密交渉のまま国会決議に反する合意はやめよ」、そのためにも「もうTPP交渉はやめよう」の声を大きくあげるときではないかと考えます。
  「12.8大行動」に寄せられた多くの声を、今の情勢に合わせてさらに発展させるため、「もうやめよう!TPP交渉3.30大行動」を呼びかけることにしました。当日のご参加をよびかけるとともに、別紙の通り、実行委員会への参加、あるいは賛同団体としての参加、そして個人の方々には当日の集会・デモへの参加をよびかけさせていただきます。積極的なご協力をよろしくお願いいたします。
 以上

↓チラシはコチラ(PDF)↓
 https://dl.dropboxusercontent.com/u/1521351/140330_TPPyobikake.pdf  

(以下は各団体の皆様への実行委員会への参加と3.30行動への賛同団体登録の依頼)
「3.30大行動」実行委員会への参加と賛同をよびかけます
「もうやめよう!TPP交渉 3.30大行動」実行委員会
共同代表:
醍醐聰(TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会よびかけ人) 
中野和子(TPPに反対する弁護士ネットワーク事務局長)         山根香織(主婦連合会会長)

 この行動は、昨年12月に開催された「これでいいのか?!TPP 12.8大行動」を引き継ぎ、
①実行委員会の構成メンバーになる団体(実行委員会構成団体)と、
②集会の趣旨に賛同し参加を呼びかける多くの団体(賛同団体)に支えられて開催されます。
 ぜひ多くの団体のみなさんの実行委員会への参加、あるいは賛同団体への登録をよびかけます(集会直前の3月27日(木)まで受け付けます)。

(1) 実行委員会構成団体へのお願い
・集会の内容などを協議する実行委員会の案内を差し上げます。可能であれば、ご出席ください。
・当日の事務局などで、お手伝いいただければ幸甚です。
(2) 賛同団体へのお願い
・大行動成功のため、集会への多数の参加を呼びかけてください。
(3)「12.8大行動」に賛同いただいた団体も、改めて登録をお願いします。
(4)実行委員会の経費負担などはありません(12.8大行動の残金を充当します)

※実行委員会・賛同団体への登録は、下記事項をFAXかEメールでご連絡下さい

◆団体名
 ◆住所
・連絡先 (〒        )
TEL:             FAX:
Eメールアドレス:

 ◆いずれかを選択
・実行委員会に参加  ・賛同団体として登録

<事務局連絡先:国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)>  TEL 03- 3372-6112 FAX 03-3370-8329  Eメール:center@shokkenren.jp
 〒151-0053 渋谷区代々木2-5-5 新宿農協会館3階
 
「もうやめよう!TPP交渉 3.30大行動」概要

1.行動の名称:「もうやめよう!TPP交渉 3.30大行動」

2.主催:「もうやめよう!TPP交渉 3.30大行動」実行委員会 共同代表:醍醐聰(TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会よびかけ人) 中野和子(TPPに反対する弁護士ネットワーク事務局長) 山根香織(主婦連合会会長)

3.行動の日時・会場  

①行動日:2014年3月30日(日)
②大集会: 東京「日比谷野外音楽堂」にて  
開場12時20分 時間=文化行事:12時40分開始、集会13時開会~14時15分
②銀座デモ:「日比谷公園から東京駅手前・鍛冶橋交差点解散」
時間=14時30分日比谷公園西幸門出発、16時終了予定

 4.本行動の趣旨 4月後半と言われるオバマ大統領の日本を含むアジア歴訪を前にねらわれているTPP交渉の「合意」をとめるため、「秘密交渉のまま、公約にも国会決議にも反する合意は認められない」「これ以上の交渉では、国会決議は守れなくなる」という国民的な声を、社会へ、政府・国会へアピールする。

5.実行委員会の構成と運営の原則:
(1)実行委員会は、本行動の趣旨に賛同し実行委員会への出席を予定する「実行委員会構成団体」と、賛同し行動成功に協力する「賛同団体」で構成されます。
(2)「大行動」(集会・デモ行進)に参加する団体は以下の原則を守ります。 ① この行動の趣旨、運営上の原則を守っていただく団体(政党は除く)で実行委員会を構成します。
② 本行動に参加する団体、個人を互いに中傷・非難しません。
③ 本行動の趣旨と異なるテーマは持ち込みません。
④ 参加者は非暴力を貫きます。
⑤ 本行動は国際的な連携を反映したものにします。
⑥ 国会議員へ参加を呼びかける場合は、TPPに反対するあるいは交渉に懸念を持っているすべての政党・会派に呼びかけます。
(3)本行動の経費は、先の「これでいいのか?! TPP12.8大行動」の残金を充てます。 以上

2014年1月29日水曜日

米国NGO「パブリック・シチズン」による「TPA 法案」への批判的分析

ご本人の了解をいただき九州大学の磯田宏さんの仮訳を基に翻訳チ-ムの清水さんにまとめていただきました。2002年のTPA法は貿易促進権限“Trade Promotion Authority”。今回の法案は同じTPAでも通商優先事項法案“Trade Priorities Act”と名前を変えているところがミソと言えます。本当にその“ミソ”がその通りになっているのかは、このパブリック・シチズンの批判を読んでいただき判断いただきたいところです。

ただ、昨年11月にオバマ大統領に提出された200名近い民主・共和両党議員による書簡で強く主張されていた、憲法上議会の専決的な権能である通商協定の締結権限を取り戻す要求、通商協定を発効する過程で制定される国内法としての協定実施法により、国内法の制定・修正にも議会の権限が及ばないことに対する反発、その上で、議会としての通商交渉上の目標などの明示などがこのTPA法案に見て取ることが出来ます(先の翻訳:下院歳入委員会と上院財政委員会スタッフによるTPAの概観、を参照)。

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パブリック・シチズンによる「TPA 法案」への批判的分析
2014 年1 月11 日(仮訳・磯田宏)
キャンプ・ボーカス法案であの2002 年ファスト・トラックが復活する

2007 年に失効した2002年版ファスト・トラックの手続きを踏襲したキャンプ・ボーカス・ファスト・トラック法案

大統領は通商交渉相手国の選定と交渉開始の権限を一任されることになる。この権限には、2002 年ファスト・トラック法案と同様キャンプ・ボーカス法案でも、議会に対する形式的な諮問と交渉開始90日前(暦日)までの通知という条件しかない。議会手続きが簡略化される当該の協定の交渉開始を大統領が決定しても、議会が拒否権を発動する仕組みはなく、協定相手国の選定にも口をはさめない。(第5 条(a))

大統領は協定の内容を決める権限を一任されことになる。2002 年ファスト・トラックと同じく、キャンプ・ボーカス法案のなかで定められている議会の交渉目標に強制力はない。米国の交渉官たちがこの交渉目標一覧を手にしようがしまいが、大統領には議会が採決する前に通商協定に署名する権限がある。しかも、通商協定の実施に必要な法案を作成することができるのは行政府であり、行政府には、上下両院が90 日以内に採決にかけるということが保証されている。議会による修正は一切禁止され、審議時間は(上下院それぞれ)20時間を超えてはならない。(第3 条(b)(3))

これまでの大統領は、民主党、共和党を問わず、ファスト・トラックで定められた交渉目標を無視してきた。NAFTA 締結およびWTO 設立のときの1988年ファスト・トラックには労働基準に関する交渉目標が定められていたが、どちらの協定にもそのような規定は含まれることはなかった。2002 年ファスト・トラックでは、為替操作を規制する枠組みの創設が優先項目の1つとして挙げられていたが、同ファスト・トラックの下で締結されたどの通商協定にも、為替操作の規定は含まれなかった。

大統領は、形式的な諮問と90 日間(暦日)の事前通知のみを条件とし、簡略な審議ですむ通商協定に署名し、加盟する権限を与えられる。(第6 条(a)(1))どの時点で交渉を「終結」させるかは、行政府が単独で決定する。この法案で定められた議会との「協議」の仕組みのなかには、議会が定めた目標が本当に達成され、そのうえで妥結したのかを正式に審議する権限や枠組みはなく、大統領の協定署名の前に議会が自分たちの目標が達成されたことを確認する手段はない。

大統領は、広範な実施法案を作成し、議会に提案する権限を与えられる。(第6 条(a)(1)(C)) 2002 年ファスト・トラックと同様、その法案を議会の委員会で修正することはできない。2002 年ファスト・トラックには、大統領が「通商協定を実施するために必要ないし適切」な実施法案だと考えれば、アメリカの法律にいかなる改訂を加えることもできると書かれていた。これまでファスト・トラックでは、この「適切な」という用語が盛り込まれることについて論争があった。というのも、議会が当該協定実施のために「必要」と考えようが考えまいが、行政府に対し既存のアメリカ法に改定を加える巨大な自由裁量権を与えるからである。実際、「適切な」という用語が盛り込まれたことで、民主・共和両党の政権は、委員会での修正も本会議での修正もなくアメリカ法に的外れな修正を加え、立法化することが可能になった。今回の法案では、「適切な」という用語を削除するどころか、2002 年ファスト・トラックと同じ「必要あるいは適切な」という文言の前に「厳密に」という余計な修飾語が加えられただけである。(第3 条(b)(3(B)ii)2002 年ファスト・トラックと同様、通商協定の実施法案に盛り込まれた、行き過ぎた条項に対抗するためのいかなる議事進行上の手続き(point of order)もその他のメカニズムも存在しないのである

2002 年ファスト・トラックと同じく、今回の法案はそうした実施法案を、下院で60 日の会期日数以内に、上院ではその後追加の30 日の会期日数以内に採決することを義務づけることになる。(第3 条(b)(3))

2002 年ファスト・トラックと同様に、今回の法案は実施法案に対する議会でのあらゆる修正を禁じており、上下院での審議時間もそれぞれ20 時間しかない。上院を含め採決は単純多数決である。

今回の法案は、ファスト・トラックによる(審議)手順の適用の際の制約を特定の通商協定に課すという点でも2002 年ファスト・トラックの複製である。上院財政委員会が公表した法案概要説明によれば、同法案では「強力で包括的な」(議会による)非承認措置が含まれていることが提案されている。しかし実際には、2002 年ファスト・トラックの複製であり、ファスト・トラック非承認の決議を提案する根拠には制限が加えられている。また、そのような決議案の審議手続きも2002年のままで、決議が採決に回される見込みすら確実ではない。本会議で審議するためには、下院歳入委員会と上院財政委員会の承認が必要であり、そのうえで上下両院は60 日以内に当該決議を成立させなければならない。(第6 条(b)))

今回の法案には、2002 年ファスト・トラックにはなかったいくつかの交渉目標が含まれている。ところが、この法案のなかで再度確立されることになるファスト・トラックの流れをみると、こうした目標を完全に実施できないことは必至である。

また、「新しい」と喧伝されている今回の法案の交渉目標のなかには、2002 年ファスト・トラックでも言及されていたものがある。例えば2002 年ファスト・トラックには為替(操作への)対策が含まれており、「協定参加国間で、著しくかつ予期できない為替変動が通商に与える結果を検証し、国際貿易における競争優位を促進するために自国通貨を操作するような方法をとる外国政府がないかどうかを精査するため、協議の仕組みの確立を追求する」としていた。(19 USC 3802 (c)(12))今回の法案の、いわゆる「新たな」条文では次のように定めている。「為替取引に関するアメリカの主要な交渉目標は、アメリカと協定を結んでいる相手国が、有効な国際収支調整を妨げたり、あるいはアメリカやその他の加盟国から不公正な競争優位を獲得しようとして為替相場を操作することがないようにすることである。その方法には参加国間の協力の仕組み、強制力のある規則、報告、監視、透明性、あるいはその他適切な手段があげられる」(第2 条(b)(11))

「議会との調整強化」と自賛されているものの内実は、2002 年ファスト・トラックで「議会による監視グループ」とされていたものを、「議会による交渉助言グループ」と改名したに過ぎない。透明性の向上をうたった条項は、過去の方法を正式なものにしただけである。

2002 年ファスト・トラックでは、議会指導者が指名する議員からなる議会監視グループ(COG)を設立し、その議員はUSTR から交渉の進捗に関する特別な説明を受け、交渉に助言者という立場で出席することができた。今回はこのCOG を「下院の交渉助言グループ」「上院の交渉助言グループ」に改名し、両者が共同して活動するとしている。しかし、指名の方法も議会による助言グループの役割が限定されていることも、2002 年ファスト・トラックと同じである。(第4 条(c))

今回の法案はUSTR に対して、議会、国民、民間部門の助言者グループと協議する際の指針を作成するよう指示している。実際には、この条文はUSTR が利害諸関係者とどのような関係を結ぶか(あるいは結ばないか)を明記するように求めているに過ぎない。

今回の法案は、USTRに対し連邦議会議員は誰でも通商協定文書を閲覧できるように義務づけることで、過去のUSTR の方法を正式なものにしただけだ。たとえば、NAFTA 交渉のとき、議員は各交渉会合後に議院内の特別室でNAFTA 条文の最新版全文を見ることができた。2013 年夏にオバマ政権はTPP 条文草案閲覧を求める議員たちからの圧力に応える形で、議員が要望する特定の章について議員事務所に持って行くことを認めた。今回の法案は、通商協定条文の全草案に議員が常時アクセスできるような措置をUSTR に再開させたわけではなく、議員が閲覧を希望した場合にどのように閲覧させるかの裁量はUSTRに任せたままである。

さらに今回の法案は、機密扱いの通商協定の提案事項や条文草案について、秘密保持審査に通った(委員会所属の)委員の議会スタッフだけに閲覧を認め、審査に通っていても議員の個人スタッフには認めない、という2002 年ファスト・トラックで問題となった文言もそのまま繰り返されている。

キャンプ・ボーカス法案の第113 回議会での承認はかなり厳しい。

下院民主党議員と共和党議員の多数が既に今回の法案の核心になっている旧来のファスト・トラックの手続きに反対を表明している。議員が中間選挙に気を取られる前の2014 年前半のうちに法案を成立させる見込みは限られている。

昨年11 月、民主党議員151 名がオバマ大統領に宛ててファスト・トラックに反対する書簡を提出し、通商協定交渉とその承認について新たな仕組みの創設を要求した。

また27 名の共和党議員も、オバマ大統領に2 通の書簡を送りファスト・トラックへの反対を表明している。

下院歳入委員会のほとんどの民主党委員が11 月に出された追加の書簡に署名しており、旧いファスト・トラックの手続きはほとんど支持を得られないことを示している。

議会への上程が何回も延期されたにもかかわらず、今回のファスト・トラック法案は下院民主党の共同提案者を見つけることができなかった。下院歳入委員会野党(少数党)筆頭理事のレビン議員(民主党、ミシガン州選出)は、今回の法案の不支持を表明している。レビン議員は2002年ファスト・トラックの手続きを変更して、通商協定の内容を決定する上で議会の役割を強化するよう要求していたが、下院歳入委員長キャンプ議員(共和党、ミシガン州)、上院財政委員長ボーカス議員(民主党、モンタナ州)、および上院財政委員会野党筆頭理事ハッチ議員(共和党、ユタ州)に、すげなく拒絶されている。

今回のファスト・トラックは、TPP と米EUFTA(TAFTA)に(それぞれに新法制定を必要としない)祖父条項として適用される。(第7条) TPP とTAFTA のためのファスト・トラックで特に問題になっているのは、これらの協定に特許、著作権、金融規制、エネルギー政策、政府調達、食品安全性、その他諸々が含まれており、連邦議会や州議会がこれら慎重な扱いを要する非貿易事項に関する法令を維持し、成立させる政策が制約を受けるからである。ファスト・トラックは、1970 年代に関税や輸入割当という狭い範囲に焦点を絞った通商交渉が行なわれていた時代に設計されたものであり、今日の協定のように広範な非貿易的政策を扱うためのものではなかった。

ファスト・トラックは例外的な存在でしかない。過去19 年間のうちたった5 年間しか発効していなかった。

民主・共和両党の大統領は、ニクソン時代のファスト・トラック枠組みを通じて憲法上の通商権限を議会から大統領に委譲させようと苦闘してきた。NAFTAとWTO 設立協定が議会を通過して以降19 年間のうち、ファスト・トラックが効力を持っていたのはたった5 年間(2002から2007 年)だった。

ビル・クリントン大統領は第2 期目にファスト・トラックによる通商権限を獲得しようと2 年間注力した。しかし、171 名の民主党議員に当時の議長ギングリッチに反対する71 名の共和党議員が加わり、1998年に下院本会議で否決されている。クリントン大統領は8 年の在任中6 年間ファスト・トラックがなかったが、それでも130 以上の通商協定を発効させた。

ジョージ・W・ブッシュ大統領は2002-2007 年ファスト・トラックを獲得するために2 年の歳月と相当な政治的資本を費やした末、共和党が多数を占める下院でわずか1 票差で可決され、そしてそれは2007年に失効した。
(翻訳:清水亮子/監修:廣内かおり)

2014年1月25日土曜日

2014 年超党派連邦議会通商優先課題法案の概観

以下は提案者が委員長を務める上下院の委員会スタッフがまとめたもので、法案に込められた議会の求める交渉目標、特更にその権能を強化する意図を解説しています。近日中に翻訳予定の米国NGO「パブリック・シチズン」の分析と比較するとよいかと思います。(以下の翻訳文は、九州大・大学院の磯田 宏さんの翻訳文に基づき「STOP TPP!!市民アクション」の翻訳チ-ムがまとめたものです)

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2014 年超党派連邦議会通商優先課題法案の概観

上院金融委員会と下院歳入委員会のスタッフが作成。
確固たる通商上の課題を明らかにする:現政権は連邦議会と協議しながら取り組み、野心的かつ確固たる通商交渉に関わる確固たる、そして野心的な課題を追求するものである。

合衆国は現在、11のアジア太平洋諸国、EU の28 加盟国、新サービス貿易協定(TISA)におけるその他22ヵ国、およびWTO の159 加盟国と諸々の協定の交渉を行っている。

アジア太平洋およびEUとの交渉を合わせると約10 億人の消費者を有し、世界のGDP の3 分の2 近くを占め、世界貿易の65 %を占める市場を開放することとなる。TISAも世界のGDPの50%、サービス部門貿易の70%以上を占めている。

2007 年に失効した貿易促進権限(TPA)を更新することは、これらの交渉を成功させるために、そして連邦議会が実施法案を審議するために必要である。

既存法の強化と改善:2014 年TPA 法の3つの要点

連邦議会が委任した交渉目標を通じて、議会の持つ専決権を政権に実行させることとする:

交渉の開始前、交渉中、終了後において、十分な協議をおこない、情報開示の方法を確立して、連邦議員と国民に対し開かれた透明性の高い交渉の流れを確保する:
そして、最終的に実施法案に対して修正なしで賛否投票を行なう手続により、連邦議会が専決権を保持し、通商協定の承認について最終的な判断を下すことができるようにする。

21 世紀にふさわしい交渉目標に改める:連邦議会はTPA を通じて政権が追求すべき明確で野心的な交渉目標を設定し、交渉相手諸国に連邦議会の要求を知らしめる。2014 年TPA 法により既存の交渉目標を更新し、最新のものにする。そのことにより、合衆国の通商協定が世界最高のものとなるようにし、合衆国の物品、サービス、投資に対して市場開放が確実に行われるようにする。

デジタル時代にふさわしい新たな物品とサービスの目標を構築する:拡大した新しい条項は、サービスが経済のあらゆる部門に利益をもたらし、貿易を円滑化する役割があることを認め、野心的なTISA(新サービス貿易協定)交渉を促進する。また、(新たな条項は)国境を跨ぐ情報流出の保護などによりデジタル取引きを円滑化し、インターネットによる国際間取引きの重要性を認識するために新しい目標を設定する。

農業に関する規則を強化する:最新の諸条項は、衛生植物防疫措置に対して厳しく強制力のある規則を求め、地理的表示の不適切な使用に対処する。

投資におけるバランスの取れた目標を保持する:2014年TPA法は、海外投資に対する障壁を除去し、合衆国の投資家を不公平な扱いから保護するという確固たる目標を保持する。

知的財産を保護する:新たな条項はサイバー窃盗に対処し、企業秘密を保護し、合法的なデジタル取引を円滑にする。そして交渉目標として、合衆国の法律のように高い知的財産保護の水準を供与し、医薬品の開発と入手がこれまで以上に容易になることを保証する通商協定を引き続き求める。

労働と環境分野を最新のものにする:新条項は合衆国の最近の通商協定を反映したもので、通商相手国に対し国際的に認められた中核的な労働基準を採用、維持し、貿易と投資に影響を与えるような形でそれを放棄したり逸脱したりしないことを求めており、また同様に合衆国が署名国となっている多国間環境協定を採用、維持し、それを放棄したり逸脱しないことを求めている。いずれの場合も、他の強制力ある協定上の諸義務の場合と同様の紛争処理および救済措置を求めている。

  通貨操作に対処する:新たな交渉目標は、通商相手国の為替レートの操作防止を初めて求めている。例えば参加国間協力の仕組み、強制力ある規則、報告、監視、透明性、あるいは適宜その他の手段をつうじて実現する。

国有企業が及ぼす影響に対処する:新たな交渉目標は、国有企業による貿易の歪曲や不公正競争を除去し、国有企業が商業的な考慮のみによって活動することを確実にするよう求める。

より良い規制慣行を追求する:改定された新条項は規制慣行の改善、(国内外における)規制の整合性と一貫性、規制と基準設定過程のより強力な透明性を目的にしている。また政府の規定による賠償制度が透明であり、手続き上公正で差別性がないことを保証する。

国内優先の貿易障壁に対処する:新たな交渉目標は、合衆国の物品とサービスの輸出に対する国内優先を強制する措置や関連する障壁に対処する。

国際的な“バリューチェーン”を促進する:新たな条項が、合衆国の国際的なバリューチェ-ン展開を後押しし、通商協定が、益々相互関係を強め分野をまたがる貿易・投資活動の実態を反映するようにする。

強力な実効性を追求する:通商協定のなかで大統領が強力な紛争処理の仕組み担保するようにする。

貿易救済措置を保持する:合衆国が自国の通商関連法規を厳格に適用する権能を保持する。

連邦議会及び国民との協議を強化する:拡大した新条項によって議会の権限を強め、議会が交渉において重要な役割を果たすようにする。

協定条文の閲覧を確保する:法的に、全ての連邦議員が確実に交渉中の条文を閲覧できるようにする。

議会との協議を強化する:米国通商代表部USTR に対し、関心ある連邦議員とは誰でも、いかなる時も、面会し協議することを義務づける。交渉開始以前、交渉中、および終了後の協議義務の対象範囲を拡大する。

全ての連邦議員の交渉過程への参加を認める:連邦議員は誰でも「議会アドバイザー」として指名されることを認められ、交渉会合に参加を認められる。

上下両院に「交渉助言グループ」を設置する:上下両院に「議会助言グループ」を設置し、通商交渉の進捗を監督し、定期的な会合を義務づける。連邦議員は誰でも自分の見解を提出することができる。

国民及び各助言委員会との間の透明性および協力を促進する:国民参加と各助言委員会との情報共有に関する指針を書面にし、透明性、および国民の関与と協力の措置を求める。

協定実施法案に対する連邦議会による支配権を維持する:拡大された新しい条項は、連邦議会が実施法案の制定に対する支配権を持ち、修正せずに審議するための規則を制定することを保証する。

TPAを相当程度延長する:TPAを4 年間延長し、選択肢としてさらに3 年間の延長をおこなうことで、次期政権にもTPA による権限を与える。

しっかりとした報告義務を課す:通商諸協定の影響に関して報告義務を拡大する。全報告の公表を義務づける。

合衆国の主権を保護する:新たな条項では、連邦議会によらずして、通商協定により合衆国の法律を変更することはできないと明記されている。

協定実施法案の範囲を明確にする:協定実施法案には通商協定の「実効化のためにどうしても必要、もしくは適切である条文のみ」が含まれることを明確にする。

連邦議会による監視を強化する:TPA の諸手続は、特定の期間内に妥結した協定のみに適用されることを保証し、協定発効手続を厳格化する。

進行中の交渉に対する監視を確実にする:TPA は進行中の交渉に適用され、その際(連邦議会による)監視や協議の義務も含まれることを保証する。

強力で包括的な(TPAの)非承認手続きを付与する:通商協定が本法の目標に合致しない進展をたどる場合、また新たな(法案の)文言により、全ての通知や協議要請が承認されなくなる場合、TPA は不許可になることもある。
(翻訳協力:田所剛/監修:廣内かおり)

2014年1月22日水曜日

オバマ大統領にファスト・トラック権限を与える法案がついに上程、果たして成立するか?

1月9日、超党派と銘打ったTPA法案が米国議会に上程されました。今回上程された法案もTPAと命名されていますが、これまでのTrade Promotion Authority貿易促進権限法案ではなく、Trade Priorities Act通商優先事項法案という名称です。内容はともかく、連邦議会として、憲法上議会の専決事項とされている通商について、何を目的として交渉に臨み、どのような内容の協定を結ぶのか、これまでのTPAで一貫して政権により無視されてきたその権能を、議会が求めるという立場が込められています。

しかし、11月に200名近い議員がTPA反対の書簡を大統領に送ったように、今回も即日5名の民主党上院財政委員会委員がUSTRに書簡を送り、これまでのファ-スト・トラックの枠組みには反対、議会との協議の枠組みがまず必要と述べています。また3名の民主党下院議員が同様に反対の声を挙げています。

以下は、米国のパブリック・シチズンのコメントです。
STOP TPP!!市民アクションでは、引き続き、パブリック・シチズンによるRPA批判第2弾、米国議会スタッフによるTPA法案の概要紹介などを翻訳し配信する予定です。(以下の翻訳文は、九州大・大学院の磯田 宏さんの翻訳文に基づき「STOP TPP!!市民アクション」の翻訳チ-ムがまとめたものです)

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2014年1月9日発表
オバマ大統領にファスト・トラック権限を与える法案がついに上程、果たして成立するか?
初日からの下院での強い抵抗と、中間選挙年の厳しい日程の中で

ワシントンDC発――上院民主党ボーカス議員(モンタナ州)と下院共和党キャンプ議員(ミシガン州)が本日上程した法案は、問題のファスト・トラック通商権限を復活させようとするものだ。しかし、第113回連邦議会で成立する見込みは極めて低い、とパブリック・シチズンは同日コメントした。

これまで、民主・共和両党の大統領とも、ニクソン大統領時代に創設されたファスト・トラックの枠組みを利用して、憲法上議会に与えられている通商権限の委任を得るべく奮闘してきた。しかし、ファスト・トラックが発効していたのは、NAFTA及びWTOの成立以降18年間の道筋のうち、たった5年間(2002~2007年)にすぎない。

今回のキャンプ・ボーカス法案の中核をなす旧来のファスト・トラックによる審議手続きに対しては、下院の民主党議員と共和党議員の相当数が既に反対を表明しており、オバマ政権にとって、議員たちの関心が中間選挙に移る前の2014年前半に法案を通過させられる見込みは限られたものである。そして2014年11月には、全下院議員と上院3分の1の改選が控えている。

第113回連邦議会の第1会期は、下院歳入委員会と上院財政委員会の交渉に費やされ、意見の一致に基づく法案を成立させることが出来なかった。民主党主席議員で歳入委員会の委員長であるサンディ・レビン議員(ミシガン州)は、本日上程された法案に対し反対を表明した。彼は議会の役割を強化するよう、旧来の手続きの変更を要求している。

パブリック・シチズン、国際貿易監視部門のローリ・ワラック代表は「オバマ政権がTPP交渉諸国に譲歩を迫るため、ファスト・トラック法案導入を執拗に追求することは疑いの余地がない。しかし、非常に多くの民主党議員と共和党議員の反対があり、また2014年の中間選挙に関心が移るまでの(この議案に割ける)時間が限られていることを考えると、ファスト・トラックが成立するかどうかは疑わしい」と指摘した。

連邦議会に提出された法案が行き詰まることは珍しくない。参考として前回の連邦議会の例を挙げると、10,445本の法案が上程され、そのうち法律として成立したのはわずか272本(3%未満)だった。現議会(第113議会。2013年1月から2015年1月)ではこれまでに、上程された法案の1%(5,713本中64本)しか成立していない。

ファスト・トラックは民主・共和両党議員の間で問題になっている。この法案により大統領は議会の採決を待たずに通商協定に署名することが可能になり、その際に、協定を施行し、既存の連邦法を広範囲に改変するための法案を行政機関が起草すること、さらに上下両院に90日以内に採決させることが保証されているためである。これに対して、委員会は審議や修正ができず、本会議での採決の際も修正は禁じられ、上下両院で(それぞれ)最大20時間の審議しか許されていない。

ワラック氏は指摘する。「ファスト・トラックを支持しようという議会の機運は著しく減退している。理由は、数々の『通商』協定により国内政策に対する議会の決定権がますます侵害されるようになってきたことにある。そのうえ、民主・共和両党の大統領ともファスト・トラックに含まれる交渉目的を一貫して無視してきたが、ファスト・トラックの仕組み上、そうしたことに議会が対応する権限すら手放してしまうことになっているからだ」

オバマ大統領がファスト・トラック権限を得ようとしているTPPには、特許、著作権、金融規制、エネルギー政策、政府調達、食品安全性、その他、連邦議会や州議会が管轄できる事項に関する政策を制約する可能性のある章も含まれている。

ジョージ・W・ブッシュ大統領は、2002~2007年のファスト・トラックの権限を獲得するために、2年という歳月と莫大な政治的技量を費やした。しかしその権限は、共和党が多数を占める下院においてすら1票の僅差で成立し、2007年には期限切れとなってしまった。

ビル・クリントン大統領は、2期目の任期中にファスト・トラック権限を得るために2年間を費やした。しかし、1998年、171名の民主党議員に、当時の議長ニュート・ギングリッチに強く反対していた71名の共和党議員が加わり下院で否決された。クリントン大統領は8年間の在任中6年間ファスト・トラック権限を有しなかったが、それでも中国のWTO加盟につながった最恵国待遇を与える協定を含む130以上の通商協定を締結した。

「今日では、どんな議案でも議会が党派を超えて合意に至ることは稀だ。したがって、大規模な超党派の議員連合が、憲法上議会が通商について有している排他的な権限の堅持を強く主張している現状は、注目に値する」とワラック氏は指摘した。

151人の民主党下院議員はオバマ大統領宛書簡(2013年11月)において、通商協定交渉とその承認のための新たな制度の創設を求め、「21世紀の協定において20世紀型ファスト・トラックは明らかに適切ではなく、取って替わられなければならない」と表明している。(翻訳協力:西本裕美/監修:廣内かおり)